こんにちは、瑛(@IknowAkeyA)です。
もし、これを読んでいるあなたが進路の話はまだ先だなあ……と思っているなら大チャンス!
というのも、いざ進路活動となると試験勉強のために使える時間がぐっと減ってしまうから。
早いうちに資格試験にチャレンジしておけばしっかり対策もできるしその分知識もちゃんと身に着けることができるのでおすすめ。
<div class=”concept-box6″><p>わたしが理系出身なので、資格のラインナップも理系寄りです。工学部を目指している人や将来エンジニアを目指している人、工業高校の皆さんはぜひ参考にしてみてください◎</p></div>
Contents
取りたい資格を選ぶポイント
わたしは高等学校で働いていますが、よく生徒から「進学のために資格を取ろうって思うのは、いけないことですか?」と聞かれることがあります。
資格試験にチャレンジする理由は人によってさまざま。進学や就職のためだったり、スキルアップのためだったり……。
「夢をかなえるため」の努力として「資格取得」を目指すことも理想の形の一つだと思っています。
やっぱりどうしても役に立ちづらい資格というのはあります。
- 社会的ニーズはある?
企業などで求められている「仕事に役立つ資格」と、自分の好きを磨くための「趣味を潤す資格」は別物。
進路活動に役立てることが目的なら、自分がなりたいものをイメージして、その業界で求められているスキルを強化できる資格を選ぶのが◎ - その資格がなければ就けない仕事はある?
資格がなければ就けない仕事として有名なのがお医者さんや弁護士。それから、たとえば危険物を扱う事業者なら必ず該当する危険物に関する資格を持った危険物取扱者が在籍しなければならないなど、資格を持っている人でなければいけない仕事が世の中にたくさん存在します。
資格を取るべきかどうか迷ったとき、「その資格を持っていなければできない仕事」が少ないなら、取得優先度を下げてほかの資格にチャレンジするのも手です。 - 主催団体はどんなとこ?
工業高校でメジャーなのが全国工業高等学校長協会。
計算技術検定、CAD検定といった初歩的な資格を主催している団体ですが、残念ながらこれらを「資格」としてみなす企業はほぼないのが現状です。瑛……工業高校の教員が言うのもなんだけど、おすすめしません!!高等学校卒業時の就職活動ならば「高校時代に頑張ったこと」のPR程度にはなるかもしれませんが、その後のスキルアップを考えるなら最初から国家技能検定や基本情報技術者試験などの上級資格の勉強をしたほうが無駄もなく、また効率的に専門知識を身に着けることができます。
【高校生〜大学生向け】おすすめの資格5選
珠算│おすすめ度:★★★★★
このIT社会の中で珠算? と思われるかもしれませんが、わたし自身が一番恩恵を受けた資格です。
珠算はもちろんなのですが、暗算技能検定にチャレンジする間に身についた暗算力にとても助けられています。
ちなみに、1級まで取得すると国際資格が付与されます。段位以降は1級と同じ桁数の計算を「速く」「たくさん」「正確に」こなすことが求められてくるので、完全に自分との戦いです。
それから、わたしが通っていたのは全日本珠算教育連盟(全珠連)の塾だったので、試験のときは「見取り」「乗算」「除算」すべての項目が6割以上ないと、合計が240点以上であっても問答無用で不合格。
主催団体によって採点方法はじめシステムそのものが違うので、塾で試験のスタイルを確認してみてください◎
それから、3級から2級の間はできることなら一気に取るのがおすすめです。
2級から1級は魔境でした。あと1問正解だったら受かってたのにうわあああああという事故が多発します(わたしはそうでした)。
一つの課題に対して継続的に努力する力や「もうだめかもしれないけどあと一回やってみよう」と思う粘り強さは珠算塾で育てていただきました◎
時期:小学校4年生~小学校6年生
所持級:珠算:3段+国際資格、暗算:1級
危険物取扱者試験(乙種)│おすすめ度:★★★★★
とてもポピュラーで、乙種四類(乙四)は受験者も多いのが危険物取扱者試験。
- 丙種、乙種、甲種の三種類
- 類によって扱える危険物が変わる
- 危険物の性質に加え、物理化学の基礎知識と危険物にかかわる法令を問う問題が出題。
- 乙種の場合、どれか1つの類でも免状を取得していると法令と物理化学の問いが全部免除されるので、危険物の性質だけに力を注げるようになる。
- 一度に複数の類を受験することも可能
- 乙4は最も受験者が多く、ガソリンスタンドなどでアルバイトする場合は試験代を出してもらえることも◎
わたしも釣られてがんばりました(本の虫なので図書カードが欲しかった)
まずは乙種4類を取得してから、ほかの類をまとめて受験する方が多いです。
わたしは高校生のときに
- 乙種4類
- 乙種2、5、6類
- 乙種1、3類
の順で受けました。
毎日1〜2時間程度の自習を継続することができれば、十分合格できる難易度です。
ただし、同時受験する類を考えないと似通った性質ばかりで記憶がバグる可能性が高いので、自分の得意な類・不得意な類と危険物の性質を考えながら組み合わせを選ぶと勉強もスムーズに進みます◎
工業高校生さんなら、乙四受験の際は参考書は教科書にもなっているチャレンジライセンスで十分。
ただしほかの類……となるとちょっと脆弱なので、書店で分かりやすいと感じた参考書を購入するのがおすすめです。
時期:高専(高校)2年〜3年
所持級:乙種全類合格
基本情報技術者試験(各種)│おすすめ度:★★★★★
情報系の進路を考えているなら遅かれ早かれ受けることになるのがこの基本情報技術者試験(以下基本情報)。
企業によっては、就職時に「就職後3年以内に基本情報を取得すること」といった条件が付与されることもあります
※持ってて当然レベルの資格なので付与されることもあるとか書いてるけど周囲の話を聞く限りは取得が絶対条件ということがほとんどみたいです。
基本情報は学生向け、応用情報はIT技術者向けの内容です。
基本情報受かったから応用行ったるぞー! という意気込みだと高確率で応用情報で詰まるのでお気をつけを!
高等学校卒業の時点で合格することはかなりの難関ですが、情報工学を学ぶ上で外せない知識に触れることができるため、実力を試したい! 専門知識の基礎を身に着けたい! という人におすすめです。
時期:高専3年生
独学でも合格できないことはありませんが、社会人になってからはじめてプログラミングに触れる人や短期決戦で勝負を決めたいという方はプログラミングスクールを使うのも戦略のひとつ◎
国家技能検定|おすすめ度:★★★★★
これは高校生でも取得できる(※もちろん相応の努力と研鑽が必要)国家資格です。
合格すると賞状に加えて技能士証が付与されます。金属製で勲章と同じ扱いのものなので、初めて手にしたときは感動しました。
国家資格なので、生半可な努力で合格するほど甘い資格ではないのは事実。
わたしは社会人になってから取得しましたが、所属高校では毎年20名近くの生徒が受験していました。
筆記に加えて技能の検査もあるため、放課後や夏休み、冬休みなどの時間を利用して検定課題の研究をする生徒たちの姿がとても印象に残っています◎
受験資格が定められていて、高校生の場合は3級を取得後1年経たないと2級を受験することができません。
課題と向き合う中で、実際に自分の手を動かしながらものづくりをするという実践的な工学知識が体得できる、とてもおすすめの資格です。
TOEIC|おすすめ度:★★★★☆
企業でも実施されている英語力検定。
就活にはほぼ必須の資格なので、英語の勉強がてら受験するのがおすすめです。
TOEICはその目的がビジネスとかなり限定されているので、会話内容もビジネスシーンを想定したものが多め。
また、TOEICに限らず試験で点が取れることと実際に話せることは別物なので、海外留学を考えている人は「高得点マークしてるに越したことはないけど実際に現地に行ってしまったほうが伸びが早い可能性がある」ことも理解しておくと◎
【ごめん】取得したけど役に立たなかった資格
役に立たない、というと失礼な気がするけれど、実際取っただけで終わったなあという感が特に強いのは「漢検」「数検」「書道」の3つです(活用できなくてごめんなさい……!)
漢字検定|おすすめ度:★★☆☆☆
高校生なら2級以上を目指し、大学生ならわざわざ取るほどの資格ではない(別の資格を取得した方がいい)かなと思います。
「什器」はじめビジネスの現場で「漢字読めなくて恥ずかしい」という思いをしなくて済むことは多いですが、その他のメリットはほぼありません。
1級はほぼ実用性がない漢字ばかりなので、趣味で受ける人が多いという印象。
数学検定|おすすめ度:★★☆☆☆
数学の授業で「受験必須」だったので受けた数検(受動)。
学校での学びの総まとめにするにはいいけれど、数学検定が役立った!という場面にはいまだに出くわしてません。
研究の場ともなると、微積分などの処理は手計算することはほとんどなくほぼプログラム頼り。
データ処理の方法や統計についての知識はどの分野でも役立つかな? と思うのですが、講義や授業との兼ね合いで「どうしても受けなければならない」場合を除いて、受験するメリットは少なめの資格かと思います。
番外編:書道
わたしは毛筆の段位を持っていますが、正直ペン字との相関関係は皆無です。少なくとも、ペン字はゴシック体ユーザー(?)のわたしはそうでした……。
書道ではなくてペン習字習っていたらよかったな……と思うことが多々あるくらい、毛筆って使わないのも事実。でもご祝儀袋とかの名前は綺麗に書ける。以上。
筆のタッチが好きだよ! 趣味で取りたいよ! という人にはめちゃくちゃおすすめなので、明朝体っぽい素敵な文字が書きたい方はぜひチャレンジしてみてください◎
資格より実践のほうが伸びる分野もある
資格は「この人の技術は確かですよ!」というお墨付きみたいなものなので確かに便利なのですが、わたし的に「これは資格を取らなくても、というか資格より先に実践経験を積んだほうが力がつくな」と思ったものもいくつかあります。
デザイン(ポスターデザイン)
Illustratorを使ったデザイン業務を行っていますが、もともと絵を描いていた経験があったこともあり操作はすぐに習得できました。
独学独習なのでプロの方からすると煩雑な手順を踏んでいるところもあるかもしれませんが、一般的なチラシデザイン、学校案内パンフレットの作成〜入稿までの業務は難なくこなすことができます◎
本屋さんで「これ素敵!」と思ったデザイン関係の技術書を買い漁って、片っ端から実践していました。
頭の中にある「素敵なイメージ」が完成していく過程が分かると、自然に応用もできるようになるのでおすすめです。
最近は「こんな雰囲気で」「こんなターゲットにPRがしたい」といった要望にも応えられるようになってきたので、独習でも感性をフル活用してスキルを磨くことは十分可能だな、と思います◎
デジタルイラストが得意な人はぜひ「パンフレットデザイン・チラシ作成」の技術も磨いてみてください。
推しをPRするチラシ風イラストを作ってみたり、オリキャラを紹介するミニパンフレットを作ってみたりとか素敵だと思うの……!企業風、スーパーのチラシ風、といろいろなスタイルをモデルにデザインを研究すると意外な発見もあって楽しいです◎
プログラミング
いま流行りのプログラミング。
わたしにとっては避けては通れない必修科目(涙目)だったのですが、プログラミングについては「プログラミング言語の勉強」+「ゲームなど興味のあるカテゴリのものを実際にプログラムする」の二刀流がおすすめです。
個人的におすすめなのはPython(パイソン)。
プログラミング言語だけで1記事書けちゃいそうな勢いなので詳細は別記事にまとめたいと思いますが、Pythonは研究の現場からAI開発に至るまで幅広く活用されている言語です。
難しい文法がない素直な言語で、C言語よりもシンプルにプログラムが組めるので、迷ったらPythonかJavascriptが◎
社会人の方ならお金を払ってスクールに通うのが早いかもしれないけれどPythonは無料で環境構築ができるのでおすすめ!
\自宅学習サービスを活用するのもオススメ!/
【おまけ】本気で学ぶ気持ちがあるのなら、本当は「高校選び」「大学選び」からこだわるべき
資格試験に限らず、日々の学習を通して自分がどこまで成長できるかということには「周囲の環境」がとても大きく関わってきます。
特に専門的な分野になるほど、今までのように「自分一人で理解できること」には限界が出てくるようになるので、分かりやすく理解を促してくれる人がいると本当にびっくりするくらい伸びます。
特に公立高校の場合は学校によって雲泥の差があるので、本当に慎重に選ぶ必要があります。先生はその道のプロではなく、一般人よりちょっと詳しいレベルだと思っておいた方が無難です。
たとえば、危険物取扱者に関わる授業を担当している教員が危険物の資格を持っていなかったり、上級の資格にチャレンジしたい生徒がいても「お前には無理だ」と言って聞かない先生がいたり。
教員は「正しい答え」を教える人ではありません。
本来教員とは生徒や学生が持っている力を200%引き出すプロのはずなのですが、現実はそうではありません。
研究費を獲得するために常に研究に励んで成果を出し続ける必要のある高専や大学の先生、あるいは結果を残せなければ解雇もありえる私立高校の先生とはモチベーションや努力の姿勢も全く違うなと感じます。
だから「なんか勉強めんどくさいし、入れるとこでいいや」という安易な気持ちで進路を選択するのはおすすめしません。
なにより、プロの先生は「普通なら1日かけて理解するものでも10分くらいで理解させる」ことができますが、「一日で分かるはずのことを一年かけて説明する」先生がいるのも事実り
いまこの瞬間の勉強は苦しくても、苦手をひとつずつ克服して得た知識は必ず将来役に立ちます。
他の人より時間がかかってしまっても、まったく問題ありません。「そこそこの仕事でもいいのか、自分にしかできない仕事がしたいのか」、自分の未来を見据えて進路を考えてみてくださいね◎
まとめ
いかがでしたか?
わたしの体験をもとにおすすめの資格をご紹介しましたが、資格取得やキャリアアップ、進路を考えている高校生・大学生(+社会人のみなさん)の参考になれば嬉しいです。
それぞれの受験体験や勉強方法も少しずつ追加予定なので、ぜひ参考にしてみてください◎
それでは、また次の記事でお会いしましょう!