今まで、ボールペンと言えば水性かゲルインキしか認めない派だったわたしですが、最近、ようやくボールペンジプシーに終止符が打てました。
今回は、わたしのボールペン観をがらりと変えた一本「PILOT コクーン」のレビューをしていきたいと思います。
油性ボールペンのイメージ
かつてのわたしにとって、油性ボールペンとは書きにくいペンの代表格。
それしかないってときは書くけど、普段の書き物には使いたくない……と思っていました。なぜなら、
- ペン先が引っかかる
- ペン先に謎のゴミ玉が生成される
- ゴミ玉と共にインクがドバっと出てくる
- かと思えば今度は掠れる
- 手が疲れる
という印象が強かったから。
水に強い、滲まないというメリットよりも書きにくさの方が優ってしまって、買うのはいつも水性ボールペンかゲルインキ。
だけど、大切な書類を郵送するときに「雨に濡れて滲みました」は困るし、郵送しないにしても水に弱いと困る場面も多いもの。
水性ボールペンみたいな書き味で油性ボールペンってないのかな……と思っていた矢先に出会ったのが、PILOT コクーンでした。
PILOT コクーンとの出会い
コロンとした丸い形が特徴的なこのボールペン、見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
さらりとした金属の質感といい、シンプルな形といい、なんて素敵なボールペン……!
油性ボールペンだけどとりあえず使ってみたい、ということで試し書きをしてびっくり!
さらさら書けるなんてレベルではなく、ペン先にいるはずのボールの存在を感じさせないくらいなめらかな書き味と黒光りするインク色。
※油性ボールペンです。
グッドデザイン賞も受賞!
コクーンは2013年度にグッドデザイン賞を受賞しています。
シンプルながら手にフィットする繭のようなフォルムは、機能性だけでなく美しさも◎。
重さは30gとずっしりしており、手にとっただけだと「重いかな……?」と感じてしまいそうですが、いざ文字を書いてみるとこの重さがびっくりするくらい馴染むのです。
指先を延長して文字を書いているような感覚というか、とにかく何時間書いても手が痛くならないことに驚きました。
万年筆もあるのですが、こちらもよりコロンとした感じが出ていて素敵です。
いつかお迎えしてしまいそう……!
アクロインクについて
アクロインク
コクーンはアクロインクを採用。
このインクは粘度が従来のおよそ5分の1で、紙面を滑るような書き心地が特徴。ドクターグリップシリーズにも採用されているインクなので、ドクターグリップがお好きな方にはたまらない書き味だと思います。
さらさらというよりぬるぬる、紙面に吸い付きながら確かにインクを置いてきているといった具合の書き心地は他の油性ボールペンにはない魅力。
ジェットストリームとの比較
少し前にSNSでのおすすめを見て使っていたジェットストリーム。
確かに書きやすいのですが、やっぱり油性ボールペンという感覚が強かった……(ジェットストリーム自体はとても素敵なボールペンです!)。
0.38以下の細さになると、紙によっては頻繁に引っかかったようになってかすれてしまうのが悩みでした。何度なぞってもインクが乗ってくれないこともあり、毎回ちょっとしたストレスに。メインで使っている365デイズノートとの相性が悪いのかも……。
また、ジェットストリームはペン先のボールが転がる硬質な感覚がダイレクトに伝わってくるので、長い間書き続けていると手が疲れやすいのも少し悩みどころでした。細身でとっても持ち運びやすいんだけど、細いがゆえの欠点なのかもしれません。
コクーンと手帳
コクーンの全長は能率手帳の標準サイズとほぼ同じ長さです。小型版をお使いの方は、頭が1 cm程度飛び出すくらいの大きさですが、先細りのフォルムのおかげで飛び出していても全く邪魔になりません。
トラベラーズノートに挿して使うのがお気に入りですが、先日イルビゾンテのミニ6をお迎えしたのでこれからはイルビゾンテの相棒として活躍していただく予定。
まとめ
ペンに限らず、相性の良い文具を見つけるって本当に大変なこと。
お気に入りだと思っていても、使っていくうちに合わなくなっていったり、憧れだったけれど使ってみるとなんか違う……となると落ち込むもの。
だけど、そうして試行錯誤するのも文房具の醍醐味であり、楽しさだと思います。いろいろなものを試して、じっくりと使い心地を味わいながら「これだ!」と思うものを探す時間も贅沢なもの。
この記事が、素敵な文具との出会いの一助となれば幸いです。
それでは!