みなさまこんにちは、伊佐奈 瑛(@IsanaAkira)です。
今回は春の東京文化散歩!
護国寺~早稲田周辺まで、文化を味わいながらのんびり散歩を楽しめるルートをご紹介します◎
Contents
今回のお散歩
勤務校で夏目漱石を読んでいたところ、社会科の先生に「新宿区に漱石の記念館があるよ!」と教えてもらったことがきっかけの文化散歩。
すると、漱石記念館の情報をくださった先生が歴史と文学+お花見を楽しめるルートを組んでくださいました!
ということで、今回ご紹介するルートは社会科の先生直伝! 大人の半日校外学習ルートです(感謝)
- 東京メトロ副都心線「護国寺駅」
- 護国寺
- 東京カテドラル聖マリア大聖堂
- 鳩山会館
- 漱石山房記念館
実際に街歩きをしたのは3月30日。実は12月末にも同じルートを歩いているのですが、鳩山会館が閉館中(後述)というやらかしにより再チャレンジの街歩きです。
護国寺駅で降りてからは護国寺から漱石山房までのんびり歩きましたが結構な距離があります。歩きやすい靴がおすすめ!
護国寺と鳩山会館の間にはロイヤルホストをはじめとした飲食店がたくさん並んでいるので、休憩しながら歩くのが◎
1|護国寺

護国寺駅の名前は聞いたことがあっても、護国寺に行ったことはありませんでした。
現在の観音堂(本堂)は、元禄10年(1697)正月、観音堂新営の幕命があり、約半年余りの工事日数で完成されたもの。
震災・戦災と二度の大災害にも襲われながら姿も変えていないので、江戸の面影に触れることができる貴重な建物です。
有名人のお墓
護国寺には財界人や政治家、日本銀行総裁、三井財閥総帥など名だたる人々のお墓があります。
大隈重信のお墓は「憲政会」の名が刻まれた石灯篭が立っているのですぐにわかります。お墓入り口の鳥居は、裏側にまわると「早稲田大学」の文字が刻まれているので、ぜひご確認を◎
2|東京カテドラル聖マリア大聖堂

椿山荘の近く、住宅街の高台にたたずむ東京カテドラル聖マリア大聖堂。
現在も祈りの場として使われている大聖堂ですが、一般の方も中に入ることができます(ミサなどを行っている場合は×)。
外から見ると不思議なスリットの入っている建物ですが、中に入ると外からの光が十字架の形に切り取られてあたりを照らしていることがわかります。
入口近くでは寄付をすることもでき、寄付をすると聖書の言葉を一つ持ち帰ることができます◎
3|鳩山会館

鳩山一郎首相の私邸で、関東大震災の翌年に建てられたもの。いろいろなドラマのロケ地にもなっているので、入り口に見覚えがある人も多いかもしれません。

大震災の被害を受けなかったことから、国内にはほとんど残っていないとされる大正時代のステンドグラスを見ることができます。5月ごろには薔薇が見ごろになるそうなので、より一層鳩山会館を楽しめそう!

ハトかと思いきや……?

鳩山会館の入り口には3羽の鳥が組み合わされた家紋が掲げられています。鳩山会館のあちこちに見られる家紋ですが、実はハトではありません。
「わあかわいいハト!」と言った瞬間、「よく間違われるのですが、ハトではなくガンです」と書かれた案内板が目に入りました。
鳩山会館の設計者
設計を手掛けたのは鳩山一郎の友人・岡田信一郎。
一度も海外へ行ったことがなかったそうですが、鳩山会館を見ると「本当に!?」と驚かずにはいられません。
よくある巨大で荘厳な西洋建築といった雰囲気とは少し違い、鳩山会館にはそこに住む人の「暮らし」が透けて見えるようなあたたかみがあるのは、海外を知らなかった岡田ならではの良さなのかもしれません。
休館期間にご注意!

冒頭で紹介したやらかしの原因がこれ。
実は、鳩山会館は例年1月および2月は休館です。
で、ちょっと長めなので冬場に訪問する方は事前に鳩山会館が開館しているかどうか確認する。
4|漱石山房記念館

今回の散歩の終着点にしてメインディッシュの漱石山房記念館!!
早稲田通りを越えてすぐ、住宅地の中に向かう路地の先にあります。


漱石の書斎をそっくりそのまま再現したお部屋があります。漱石は作品ごとにきっちりと原稿を綴じて製本していたらしく、お部屋の右側には和綴じにされた原稿用紙を見ることができます◎
漱石の書斎を再現した展示の前にいるガイドさんによると、再現部屋の前にある展示室が「木曜会」の会場だったそう。
ちなみに、再現部屋に入る手前、曲がり角付近が当時の玄関。竹格子があり、外から見ると玄関らしいデザインになっているのですが、いかんせん建物にしっかり同化しているので「ここが玄関ですよ!」と言われないと玄関とは気がつけません笑
玄関から家に上がった弟子たちは漱石の書斎前に集まり、漱石は机から身を乗り出すようにして話をすることも多かったといいます。
2階:企画展示室

2階に上がると、漱石の作品が引用されたパネルがお出迎え。引用がとにかく秀逸で、読んだことのない作品も読みたくなること間違いなしです。
2階では期間限定の企画展が行われています。常設展示されている漱石の原稿は必見。ガイドさんによると、漱石は投稿先によって原稿用紙を使い分けていて、たとえば原稿用紙に書いた文章がそのままの形で新聞に掲載されるように工夫していたのだそう。
展示物は撮影禁止だったのですが、漱石の手書き文字は必見。
文豪の中には達筆その他の理由で手書き文字が解読できない方々もおられるのですが、漱石の文字はとても読みやすいです。
カフェとお土産

漱石山房記念館に併設されている「CAFE SOSEKI」。カフェだけの利用も可能で、漱石を堪能したあとの余韻に浸ることができるベストスポットです。
目漱石が愛した祇園坊柿を使用した柿アイスクリームや、「吾輩は猫である」にも登場する空也のもなか、漱石の妻・鏡子の出身地である広島県の老舗・長崎堂のバターケーキを楽しむことができます◎

お土産のイチオシは、なんといっても夏目漱石アクリルスタンド。
角度を工夫して撮影すると、漱石先生をいろいろな場所に 座らせる 座っていただくことができます。
ほかにも「こころ」初版本のブックカバーや「夢十夜」メモパッド、漱石が使っていた原稿用紙などがあります◎
後記
帰宅途中に漱石の本を買いました。
いろんな出版社が漱石の本を出していますが、今回は「こころ」を最初に発表した岩波が多め。でも角川文庫のかまわぬコラボカバーも素敵、しおりひも付きの新潮文庫も捨てがたい……!!
今回のハイライト
おまけ① 講談社
護国寺から音羽通りを歩いていくと、右手に講談社を見ることができます。

おまけ② 江戸川公園とお花見
4月上旬に旅するなら、江戸川公園を通って神田川沿いの桜も楽しめます。
