2022年度も素敵なゲームに出会いました◎
ちょっと前から話題になっている猫ゲーム「Stray」をクリアしたのでレビュー。
SF要素もありつつ適度にホラー、そして何よりFCS(First-Cat Shooter)ならではの魅力がたっぷり詰まったゲームなので、気になっている方のご参考になれば幸いです*
Contents
1│没入感がすごい
みなさんご存知、Strayの主人公は猫さんです。
最初はわたしもそう思ってました。猫だけど世界観がSFなら、マップも見れるし転送も使えるし、何なら武器も使えちゃうんでしょ? と。
そんなことなかったです。
(※一部武器は使えるけどめちゃくちゃ短時間かつ猫さん自身に攻撃力はない)
ちゃんと猫は猫、爪とぎから水飲み、にゃんにゃん鳴きながらのプレイまで終始一貫猫なのです(?)
人間の感覚で進もうとすると、猫にとっては進めない道(扉が開けられない、人形ロボットに追い払われる)に阻まれます。逆に猫視点なら進める道(隙間、障害物を伝っての高所移動、ちょっとだけ開いた窓など)が山ほどあるので、プレイしてゆくうちにだんだん猫っぽい考え方にシフトしてゆくはず笑
まさにFPSならぬFCS。
猫飼いさんなら分かるあんな動作も
猫飼いさんなら、おそらく一度は経験したことのある「机や棚の上のモノをとりあえず落とされる」というあの現象が、Strayならなんと猫の立場でやり放題。
しかも落とせるもののバリエーションもかなり豊富。
- ペンキ缶(ちゃんと中身がぶちまけられる)
- 飲料物のビン
- 箱類(中身が入ってるならちゃんと出てくる)
ただ単に「猫らしい動作ができる」だけではなくて、猫らしさを駆使して先へ進むようにデザインされているところもStrayの魅力。
2│猫に癒やされる「だけ」のゲームではない
SNSでは猫が痛めつけられる描写があったらどうしよう……とプレイを躊躇する人もいるようですが、出血描写や痛々しい描写はないのでご安心を。
おそらく、猫が好きだからStrayをやってみようかなと考えている人にとって最大の障壁となるのは猫が痛めつけられるか否かという部分ではない可能性が大。
集合体恐怖症の方も要注意。
ZURK攻略のコツ
攻略のコツは蛇行しながら走ること。
ZURKは一直線、つまり猫に対する最短距離で襲いかかってくるので一直線に突っ切ろうとすると高確率でひっつかれます。
ZURKに気づかれたら最初はZURKの方に寄るイメージで走って、飛びかかってくる寸前にZURKとは反対方向に蛇行、を繰り返すとかなり被弾を減らせます◎
仮に大量のZURKにひっつかれたとしても、自分を中心にレーザーを照射すれば余裕で逃げられます。
飛び越えられる壁や隙間がある場合は、障害物でZURKを遮るルートを取りながら走る→障害物を乗り越えて先へ進むという行動を繰り返せば、たいていのZURKは追いつけません。
ヤツら ZURKさんたちはドラム缶の横から入ってきます(それはそう
ドラム缶を見つけて「これでZURKを潰すんだね!!!」と飛び込むと、ZURKたちに「猫めかかったな!!!」と反撃されるのでご注意を。
ちなみに、苦手な方もおられるかも(?)なのでスクショは載せませんが、塔の金網ゾーンはZURKを観察する絶好のポイント。金網にへばりついたZURKの裏側(口の構造とか)をじっくり観察できます。
下水道は精神的衝撃が凄まじいこともあって、苦手な人は苦手かもしれないけれど……わたしは「これこれェ!! こういうの待ってたァ!!」となりました笑
とはいえ、わたし的には「なにこの生き物!?」という衝撃がたまらなく好きだったので、どんな敵かは自己判断でググってみてください(できれば初対面の衝撃はぜひプレイ中に味わってみてほしい……!)
見張兵攻略のコツ
ご存じの方もおられると思いますが、住民に「見張兵に気をつけろ!」「見張兵に見つかるな!」とさんざん脅されるわりには、見張兵の性能はガバガバです笑
こんなふうにがっつり見つかった場合も慌てずに……。
Necoボックスに入りさえすれば射撃されません笑
警戒されっぱなしになるのでは? と思っていたのですが、黄色信号で索敵していたかと思ったのもつかの間、すぐ青色ランプに戻って持ち場へ帰っちゃいます。
見張兵はゴリ押しが通用するので、この数無理では……? と思ったときは近くにNecoボックスがないか確認してみてください◎
もちろん長くはもたない(というか長距離走れない)ので逃げ切るのは難しく、あくまでも牢屋にぶち込むとき専用の戦法です。
索敵範囲に入らずとも、にゃんと鳴くだけで気を引くことができる(黄色信号の索敵モードにできる)ので、より落ち着いて対処したいときはお試しあれ。
画面酔い防止
Strayはキーボード&マウスでもプレイできますが、ロード画面にも出る通りコントローラでのプレイがおすすめ。
ネオン街を歩くときはちょっと眩しめの画面になるので、到着したら様子を見ながら明るさを調整すると◎
3│雰囲気だけじゃない、背景の作り込みがすごい
単なる雰囲気ゲーではなく、背景にも情報がちりばめられているのでじっくり観察するのがおすすめ。これは考察がはかどるやつ……!
【ネタバレ有】先に進むにつれて世界の姿が見えてくる
屋上に寝転がって空を見上げている人がこの世界における「空」について言及してくれますが、正直このときは「なんのこと?」状態。
この「空」の本当の役割と世界=壁の内側の構造が、ゲームを進めるにつれて分かるようになります。
メモリーを集めながら進んでいる猫さんの場合は、途中で「人間はこんな状況に陥っても階級制度から抜け出すことができなかった」という趣旨の話を聞いたかと思いますが、実はこの話が聞けるのもかなり序盤。
どうやら最下層に当たるスラムはゴミ捨て場にされていたらしいことが分かり、なるほど差別はずっとついて回ったんだな~……と思いながら先に進むととんでもない状況が見えてきます。
廃棄物をスラムに投げ捨てて処理→本来はゴミを処理する存在だったバクテリアが突然変異を起こして生まれたZURKが大量発生→スラムはほとんどZURKの巣窟と化す(途中で大変な思いをした塔を眺めると複雑な気持ちになる)という流れが目で見てよく分かる……。
これはB-12がコントロールルームで「この場所が大嫌いでした」とつぶやくのも納得。自分たちの安全な世界の下に、とんでもない思いをしている人たちがいると知ったらいい気持ちしないもんね……。
それでも(B-12によると)平気な顔をしていた人たちがほとんどだったということは、やっぱり人間って自分より苦しい立場の人を見ることで「わたしたちは恵まれてる、豊かだ、優位の存在だ」と認識して尊厳を保つ生き物なのかなあ、と思ってみたり。
もっとも、日光が降り注がない世界なのでセロトニンが減少して心が荒んでしまったという見方もできそう。色んな意味で日光って大事……!
4│お気に入りの場所
まとめ代わりに、Stray内のお気に入りの場所をいくつかご紹介。
小ネタ
1│イベント中も鳴ける
一部にゃんにゃん鳴けないイベントもある(状況的に鳴いたらヤバいだろ、と猫さん自身が判断していると思われる)のですが、たいていのイベントシーンは鳴くことが可能。
キャラクターによっては、市内でにゃんにゃん鳴いたときと同じく表情豊かに返答してくれるのでぜひ試してみてください。
2│終末の日
人間が滅んだ日について、断片的ではあるがいくつか情報がちりばめられていたのでメモ。
日付ネタについて、最初に訪れる村にあるバーに貼ってある「従業員賞」のポスターは9月のもの。人間が(あるいはロボットを評価する存在が)活動をしていたのは9月まで、ということになりそう。
食品栄養学
署名捺印は2199年となっていることから、このときはまだ人間が活動していたことが分かる。
前に紹介した「10月11日」が日曜日であることを考えると、最も早い終末の日は2年後の2101年。
人類は滅んでしまったとはいえ、B-12のように自分自身をコンピュータの中にインストールした猛者もいるようなので、ほんとうの意味で人間が滅んだとは言い切れないのかもしれません。